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September 15, 2009

蜃気楼・・・

もう随分昔の事になる。
まだ子供だった私が、今の地に引っ越してきたばかりの頃の話だ。
今でも鮮明に覚えている、不思議な思い出・・・。

新しい土地での生活にも慣れてきたが、まだ友人も少なかった私は、
当時住んでいた社宅の5階に上がり、踊り場から双眼鏡で景色を
眺めることが多かった。

そこからは、前に住んでいた街並みや通っていた小学校が見え、
戻りたいなと思いながら双眼鏡を覗いていた。

そんなある朝。そう、あれは冬の寒い朝だった。
7時位に起床した私は、朝ご飯が出来るまでの間、
5階で景色を眺めるべく、階段を上がっていった。

キーンと冷えて澄み切った空気の向こうに、
いつもと変わらぬ景色が見える。

双眼鏡を眺めて20分くらいだろうか。そろそろご飯が出来た頃だから
家に戻ろうとした時、景色がいつもと違う事に気がついた。

私から向かって左手遠くには街並みが、右手側には山が広がっている。
山といっても高い山は無く、全てが眼下の高さにある。

しかしその日は違った。ふと右手を見ると、
見たこともない高い山がそびえているではないか。

「なんだろう、あれ?」

あんな山なんかあったっけ?と疑問に思いつつ双眼鏡を覗く。
薄青白い朝の空に、黒く浮かび上がる山のシルエット。
双眼鏡を通して、山の稜線やそこを伝う送電線が見えた。
一度ご飯を食べに戻った後、もう一度5階へ上がったが、
不思議な事にその山は見当たらない。

家に戻って地図を確認してみるが、
それらしき山は載っていなかった。

それ以来、二度とその山を見ることはなかった。

今にして思えば、なぜあの時家族にその山の事を言わなかったのか、
自分でも不思議に思う。
結局あれは、一種の蜃気楼だったのだろうか?

もしも実在していたのなら、海抜300mはある位の大きな山だ。
あれから何度も地図を見てみたが、そんな山は見当たらない・・・。

毎年冬の寒い朝になると、ひょっとしたらあの山が
見えているのではないかと考えたりもする。

もう今となってはもう確認する術のない、
私の中の不思議な思い出である。

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